後少しで夏休み。

わざわざ土日に会わせなくても、時間はたっぷり出来る。



「夏や…」



ーー〜♪〜♪



「ごめん!;;」



「大丈夫だから、出なよ」



了解を得ようとした私の声に被さった携帯の着信音。

梢は申し訳なさそうにジェスチャーを交えながら私に謝り、電話に出た。

夏の高圧的な陽射しを手で遮りつつ、蒼空を見つめる。

青々として、綺麗で雲一つない。



「わかったけど…あぁ、うん。
行くよ……」



空とは裏腹に、梢の声は低く、曇ってる。

私は電話を切った梢を見ると、視線は簡単に重なった。