ーープルルル…

しかし、家電が鳴り、中断。



「もしもし…?」



滅多に鳴らないのに、誰だろうか。



『今すぐ港の倉庫に来い。さもないと、兄貴を殺すからな』



ーーブチッ

それだけで切れた電話。

…“今すぐ”って?

脅しの電話?



「何で私が…」



行かなきゃいけないんだろう。

私、関係なくない?

しかも、兄貴の代わりに殺されるの嫌なんだけど。

かといって、兄貴が死んでもね。

…行くしかないか。

意を決して、私は着替えて向かう事にした。

面倒なのは嫌い。

嫌いだけど、行かないと。