1人で居るのが好き。

1人になりたいとばかり思ってたのに。



「もう少し、一緒にいて下さい」



これは、甘えというより、我が儘かも知れない。

しかし、私は帰りたくなかった。

“どうせ1人”って、初めて思ったんだ。



「えぇよ。夜景でも行こか?」



「はい…」



誰かと時間を共有したい。

その気持ちの正体はなんだろう。



「俺と居って、苦やないか?」



「全然。むしろ心が軽いんです。
素直になれる時もあって」



「そうなんや」



私の地元を通り過ぎ、隣街の小高い山へ車は走る。