【完】貴方が居たから。

お母さんは「しっかり支えるんやで」と、紀斗の肩を叩く。



「わかったから叩くなや」



「あんたが食べるのに夢中やからや!」



「煮しめが美味いんやて」



碧斗さんとも仲良さそうだったし、高瀬家はみんな揃って、仲が良さそう。

憧れる、この家族。

私も子供が出来た時、こんな家庭にしたい。



「紀斗さん。これからも憂愛をよろしくお願いします」



「あ、こちらこそよろしくお願いします。今までもこれからも、近くに住みますから」



彼は言ってた。

兄貴が家庭を持ち、安定するのを見届けるまでは、地元には帰らないって。