【完】貴方が居たから。

「短大に行こうかと…」



「卒業後は?」



「保育士の資格を取るつもりなので、それを活かして…」



保育士になる考えは、正直なかった。

でも、地元にある短大は保育士になる課程がある。

資格も取れるし、“だったら”と、漠然とだけ、今後について担任と話し合ってる。



「一年あるんやし、たくさん悩んだらえぇよ。どの考えも気に食わない時はやで?結婚してとっとと孫の1人や2人、作ってちょうだい。ね!」



「はい。ありがとうございます」



胸が楽になった。

騒がしいけど、紀斗のお母さんだけあって、背中を押す然り気無さが優しい。

良く似てる。