“惚れなかっただろうね”と、憶測でも言えないって事は、そういう事だと思う。



「あ…結納金ていくらいるのかな?」



「はぁ?金なんていらへんで。
結納なんて省けばえぇねん」



「私の方が、真面目だね」



「変なとこでな」



手を取り合い、朝陽の下を歩き出す。

一本の長い道は、先が見えない。

けど、続いてる証拠で。

きっと私たちの未来も続いて、こうして歩いて行くんだ。

寄り道をしたって、道に迷っても、一つの道を真っ直ぐに真っ直ぐに―――…。