「30になるちゅーのに、弟に気を掛けてアホやろ」



「そんな事ない」



兄貴を助けてくれたり、支えてくれてる意味がわかった。

きっと、弟さんたちと同じように思ってくれてたんだ。



「怖かったけど、感じた。
そんな紀斗さんだからこそ…」



“好きになったんだよ”―…。

キスをされて言えなかった思いを唇に込めた。

感じて、私の気持ち。

届いて、この気持ち。

減少しない、増すばかりのこの想いを、受け取って。



「“シーパラダイス”やて。
行っちゃうか?」



ムード満点の中で、私の勇気を崩すかのようなセリフ。