話を遮りたくなかった。



「朱斗は末っ子やったけど、俺らを見て育って来ただけ、負けん気は強かった。問題は碧斗や。
すぐ人を信じて裏切られて。今回もそうや。挙げ句、憂愛を巻き込んだ。ごめんな?」



「私は…大丈夫」



怪我もしてないから。



「何度も何度も裏切られたら、裏切ったヤツも一発は殴れと教えても、優し過ぎて出来へんくてな…今日もイラッと来てキレてしもうた」



あの怒りは、あの一言は、碧斗さんを思っての事だったんだ。

何も気付かずに止めて泣いて、邪魔をしてしまった。

碧斗さんにも、逆に迷惑を掛けてしまった。