迷う私に「ダメだよ!」と、梢に止められた。



「紀斗さんに助けて貰うべきだよ!」



「兄貴の助けはいらへんねん。
誘きだすのに憂愛がえぇんや」



「そんなのおかしい!助けがいらないなら、憂愛の助けもいらないじゃない!」



激しく言う梢に、碧斗さんは複雑そうに頷いた。



「そうやな…。
悪かったな、憂愛」



そう言って、歩き出した碧斗さん。

本当に、これで良かったのか。

私は納得が行かず、火が消えてた花火をバケツに投げ入れ、裏口から出て碧斗さんを追い掛けた。

きっと紀斗さんは来てくれるから。

だから、行く。