「最近な、若い子が覚醒剤を勧められる事件が多発しとってな…わけもわからず手を出してしまうんじゃ。貴方たちも、注意してね」



「はい。ご心配して頂いて、ありがとうございます」



「それじゃあ今度こそ」



おばあちゃんは犬に引っ張られながら、この別荘の敷地から出て行った。

手元にある白の海パンを見て、兄貴の顔が頭に浮かんだ。

シンナーを嗅いだ事があるのは知ってる。

それで補導もされてるし。

…何もなければ良いんだけど。

見張ってるにも限界はあるし、どうしたものか。

ここまで来て、補導なんて事になったら困る。