「行こう?;;」



「あぁ;;」



私も紀斗さんと砂浜へ歩く事にした。

逃げるとも言う。

小春を押さえるのは大変だから。

梢が敷いてくれたレジャーシートに荷物を置き、短パンはそのままに、キャミソールを脱ぐ。



「海に来たの初めて…」



キラキラ輝く水面(みなも)を見渡しながら言う私に、紀斗さんが手を差し伸べてくれた。

割れた腹筋は既に焼けていて、かっこよさが増してる。



「俺から離れたら溺れんで」



「泳げるから大丈夫だもん」



何て強がっても、手を離すつもりはないんだ。