でも、あの人は
私の横を爽やかに通る。


同じ、
自転車通学の人。





同じクラスの
藤本 悠雅(フジモト ユウガ)だ。

やんちゃっていうのかな、
なんだかクラスでも目立つ。


そして、何かと
私に絡んでくる。





でも、私の好きな人。






「待てよ、藤本~っ!!」

へとへとになった、同級生A。


「まじ早いし、お前…」

息するのも大変そうな同級生B。




その二人の先頭に
自転車でたって、
余裕そうな笑みを浮かべる彼。







「早い?こんなもん、普通だろ。
バスケ部なめんなよ」


セリフはなんとなく
意地悪だけど
爽やかな笑顔。





ああ、眩しい。

私の汗で光る額より眩しい。