“もし、私があなたのように強かったらまた別の道をあのかたと歩めたのかもしれませんね・・・”

そういうと真珠さんは泣き笑いのような表情を浮かべた。

「え?それわどういう・・・」

「瑠璃!」

真珠さんに話しかけようとすると名前を呼ばれた。
その途端真珠さんの姿はきえてしまった。

振り向くとそこには泉里が立っていた。

「いまここに誰かいなかったか?」

「いいえ。だれもいなかったわよ?」

「狐の気配がしたんのだが・・・・。」

その言葉にどきりとする。

だけど平静を装う。