「ふふっ。あなたやっぱり変わってないわね。」

「なにがじゃ?」

「ここは桜の夢の中よ。」

「桜の?」

「ええ。この桜は霊力が宿っているのよ。こんな綺麗な満月の日は桜も夢を見るのよ。」

ああ、だからわしは桜の夢に巻き込まれたのか。

「喧嘩したのね。」

唐突に百合が話しを切り出す。

「ああ。」

わしは素直に頷く。

「確かに瑠璃ちゃんは優しすぎるわね。」

「ああ。だからわしは心配なんじゃ。いつかその優しさが瑠璃を傷つけるのではないかと・・・」

「そう。でも刹那。あなたも悪いのよ?」

「なぜじゃ?」