「ああ、桜乙女の結界か。」

「だけど俺には通用しないよ。」

疾風で瑠璃の結界を打ち破る。

「きゃっ!」

「さあ、瑠璃おいで。」

「絶対いや!!」

「聞き分けのない子だね。」

瑠璃は強い瞳で精一杯抵抗している。
さらに術を強める。

その時――――

「こやつはわしの嫁じゃ。おぬしにはやらぬ。」

「ああ。狐だね。」

刹那か。相変らず勘がするどいな。
いや、後ろの守護している巫女が教えたのか?

「そうじゃ。ここは鬼のおぬしが来るところではない。」

強い霊力で威嚇してくる刹那。

満月の夜は狐の一族の霊力が強くなる。
退散するか。
「ふっ。今日は満月。君の力が強い日だね。また改めて迎えに来るよ。」