数日が過ぎた。

あの日から毎日水面を眺めている。
彼女は相変わらずいつも微笑んでいる。

彼女をみつけた日から真珠の気配をかすかに感じる気がする。

君が生まれ変わりなのか?
それとも・・・

「泉里様。」

「白夜か。なにか分かったか?」

「はい。あの少女は名は瑠璃。正式な桜乙女の生まれ変わりであり、あのせいかわかりませんが潜在的な霊力はもの凄くつよいです。ただまだ目覚めてはいませんが。」

「瑠璃、か。」

「それとこの者の近くに刹那が居ます。」

「刹那か・・・」

懐かしい名前だ。
俺は以前真珠からその名を聞いた事がある。

やはり桜乙女の近くにいるのだな。

「どうしますか?」

白夜が次の指示を仰ぐようにこちらを見つめる。

「お前は休んでいい。俺は人間界へ行って来る。」

そういうとひらりと姿を消す。

白夜はただ一人その場に残された。

何時以来だろうか?
あんな穏やかな微笑をしている泉里様をみるのは。

真珠様が戻って来てくださればきっといつでもあんな微笑を見ることができるだろう。

そんなことを考えながら白夜は屋敷へ戻っていった。