「刹那・・・助けてくれてありがとう。」

私は刹那に御礼を言った。
だけどまともに刹那の顔が見れない。
刹那がわしの嫁って言ってくれたことが嬉しくて恥ずかしくて。
こういうときどうしたらいいのかな?

どきどきと鼓動がうるさい。

「気にするでない。怪我はないか?」

優しい声色が聞こえる。

「うん。」

刹那の優しい声を聞いたら少し涙がでそうになった。
気を張っていたものが緩んだからかもしれない。

だけど私はそれを堪える。

だって泣き虫って思われたくないから。
桜乙女である以上強くありたいと思うから。

「ならばよい。瑠璃。あの鬼には気をつけるのじゃぞ?」

「え?」

「あやつはなに者かわからぬからのう。用心のためにじゃ。」

「そうだよね。でも・・・。」

「でも?」

刹那は不思議そうにこちらを見つめてきた。