桜の木の前で

「瑠璃。」

「え?」

後ろを振り向くとそこには見覚えがある男性が立っていた。

「あなたは・・・もしかして・・・お父様?」

「ああ。」

「お久しぶりですね。」

私は涙目で見つめる。

「そうだね。しばらく留守にしてわるかった。」

「いいえ。きっとお母様も喜ぶわ。」

「そうだといいな。瑠璃。おめでとう。」

「ありがとう。お父様。」

「これを。」

そっと瑠璃の手首に腕輪をはめる。

「これは?」

「凛からのお祝いだって。」

「凛さん・・・ありがとお・・・」

「さあ、いきなさい。」

「はい。お父様もお母様のところへ行ってください。」

「ああ。」