桜の木の前で


「瑠璃きれい・・・・」

「本当に。おめでとう。

仙樹がうっとりとつぶやき、姫が涙ぐみながら瑠璃の手を握る。

そうです。今日は私と刹那の結婚式です。

「本当に?」

「ええ!白無垢すごい似合ってるよ?」

仙樹が興奮気味にしゃべる。

「ありがとう。」

照れながら瑠璃が答えると姫がそっとつぶやく。

「刹那様と幸せにね?」

「うん。」

「さあ、瑠璃。刹那様のもとへいく時間よ。」

「ええ。あ、お母様?」

「なあに?」

「今まで本当にありがとう。」

「いいえ。幸せになりなさいよ?」

「うんっ。」

「じゃあ瑠璃。また後でね!!」

仙樹が元気よく叫ぶ。

「うん。」

私はゆっくり歩きだした。