桜の木の前で

「真珠さんありがとう。」

そうだ。私は桜乙女なんだ。

私は刹那を助けられる。

私は雷君に駆け寄る。

「雷君。傷は癒えた?」

「はい。」

「無理を承知でお願いがあるの。私を巍然の傍まで乗せて?」

「姫君の頼みならお安いごようですよ。」

雷君は人間から雷獣の姿に変わる。

「さあ。姫君。」

「はい」

私は雷君の背中に乗る。