桜の木の前で

「へえ。癒しのちからかあ。ますます欲しいな。」

「何度も言わせるな。お主に瑠璃はやらんよ。」

そういうと刹那は立ち上がる。

「ったく、次は君が相手?狐君。」

「ああ。おぬしじゃわしの相手不足じゃがな」

「口だけは達者だね。」

殺気を帯びた微笑を両者とも浮かべる。

「さあ、そちらからどうぞ?」

「その言葉、後悔しないことじゃな。」

刹那はふわりと舞い上がり、巍然に狐火を放つ。