「やっぱり、・・・・・もういかなくてはいけないの?」

「ああ。そろそろ時間が来たようだ。」

「っ!」

私は無月の胸に飛び込んだ。
彼は優しく抱きしめてくれる。

「いや!いやいやいや!っどうして・・・どうしてもなの?わかってはいたわ。でも、私たち3人でもう暮すことは出来ないの?」

私は泣きじゃくりながら喋る。

そんな私を彼は優しく頭を撫でてくれる。

「君に悲しい思いをさせてすまない。だけど、君にはこちらの世界で幸せになってほしいんだよ。」

「・・・・」

わかっていた。

天狗の世界で人間である私は生きていけない。

だけど。

だけどあなたと幸せになりたいと願う私は愚かですか?