「でも瑠璃は私と違いますわ。」

「なんでじゃ?」

「瑠璃は私からは霊力を、無月からは長寿を受け継ぎました。」

「そうじゃったのか・・・」

「ええ。だからお願いが有ります。」

「なんじゃ?」

「どうか、私たちとは違う形の幸せをみつけてくださいね。」

「もちろんじゃ。そこでなんじゃが・・・。」

「なんですか?」

桔梗様が微笑む。

「このごたごたが治まったらわしは正式に瑠璃を嫁に頂きたい。」

「ええ。娘を宜しくお願いしますね。」

優しく微笑んだ。

「さあ。刹那様。過去へ飛ばしますわ。」

そう言って母殿は持っていた鏡を空へ向けて力を解放する。

「桔梗様。おぬしは無月殿と別れて、別の道を歩み後悔しているか?」

過去へ飛ばされる刹那に問いかけた。

「いいえ。確かに歩む道は違えど気持はいつでも一緒ですわ。そしてわたしたちは別れたわけではありません。また回り逢うために歩み始めたんですのよ。」

「強いんじゃな。」

「ありがとうございます。」

桔梗様の笑顔を見つめながら、わしは過去へ向かった。