「夢で見ましたから。」

そう告げて優しく微笑む母殿。

その微笑が瑠璃と重なる。

「瑠璃は今過去にいますわ。」

「過去に?」

「はい。瑠璃は過去へ真実を確かめに行きました。私が夢でみたのはここまで。今はどうかはわかりません。」

「わしも過去へいく。」

「ふふ。そういうと思っていましたわ。」

「何故じゃ?」

「刹那様ですもの。瑠璃は本当に素敵な方とめぐり合ったのですね。」

そして遠くを見つめ、言葉を続ける。

「私の夫と刹那様は似ていますね。」

そう言って切なげに微笑む。