諒は私の「いいよ」を、自分の今の行動に対しての赦しだと判断したようで。


「最低だな、俺」


自嘲するでもなく、それでも私の上からは退かず、相変わらず指先は頬に宛がわれたまま。
それがもどかしくて、諒の辛そうな顔を見てられなくなって、私はその腕を引っ張った。


「うわっ!」


バランスを崩して私の胸に倒れ込む、その諒の唇に深く口づけた。
深く深く、諒が困惑するのもお構いなしに。
諒の、泳ぐ舌をただただ貪るように絡めとる。


「……な、何!?」


解放してやると、目を大きく見開いて錯乱している諒。
反射的に私から離れてくれて、少しだけ、体が軽くなる。


「……したかったから、しただけ」


私がそう答えると、「意味が分からん!」って諒が叫んだ。


「俺のこと、からかってんの!?」

「違うよ」

「だったら何で!さっきから、優理は思わせぶりなことばっかして!」


諒とは反対に、私は不思議なくらい冷静で。