日向をあの世に送ってから、
何度かの夕方が過ぎた。
奏梧は県会議員である
田上の所へと向かった。

彼に今までの礼をかねた
別れの挨拶をするためだ。
彼が抑揚なきお役所勤務を
のうのうとやってこられたのも
田上の口添えと
力添えのたまものだったからだ。