「でもなぁ…ホントにいいのかなぁ…これでいいのかなぁ…」
「今さら何を言い出すんです。あなた自分自身の、もうどうしようもないあなたの残された、じ・つ・に・はかない運を、人生のシナリオのオチを書き換える、チャンスなんですよ」
「え…」
「そうです！　私はこれを革命だと思ってる。これからやることに、テキストに描かれたイロハもない。これを目にした、耳にしたみんなが、私のやっていることがコインの裏だって言うのなら、それを表にしてしまえばいいでしょう。理由なんて後付けで十分でしょう。そうでしょう？」
「——ま、確かに。どうせ、パクるのは…これは裏金だしねぇ」
「そうそう！」
「――だったらこいつをとっととまっさらな表にしちまおう。私たちの手で」


こんな、こそこそ話を
開店前にしているのだから、
この銀行の信用度は
…皆無に等しい。