THE BEST REVENGE

札束を馴れた手付きで数えながら、
マヤはその「君みたいな子」に対し
反論をした。

「そうですかぁ? ちょっとハッキングが得意で、カルト映画好きで、チャネリングで宇宙人呼びたくて、間違えてお巡りさん呼ぶこと十数回…今時珍しくないですよ」

大げさにしなりを作りながら、
支店長に向かって決めポーズ。

「こういうエキサイティングなことをいつ来るかと待ちこがれた、茶目っ気たっぷりのか弱い女の子ですよ」
「その考えがすでに常識に外れてるよ!ついでにちっともかわいくない!」
「ひっど~~~~い。しかも、そんな大声出さないでくださいよ。ふりかけや植毛がますます手放せない頭になりますよ? KGBに付けねらわれますよ!」
「実に、大きな、お世話だ! だいたいなんだ、KGBって?」
「カツラ・ガンガン・バラス!」
「やかましい!!」

コンピューターに映し出される
世紀末模様の自分の頭を見つめ、
支店長はますます怪訝になる。