「でも、正直何考えてるんですか?」
「何がかね?」
「お金、横領しようとするなんて。」
「君が言っただろう。最後くらい――ああ、最後くらいは私にいいことのひとつでもあればと思って。どうせ訪れやしないなら、私自身の手で、つかの間の、ほんのつかの間だけの幸せを、作りたかったんだよ」
マヤはクスッと軽く笑い、
カウンターから真新しい札束を
取りだして並べていく。
「でも、その選択は間違っていないと思います。」
支店長、マヤを呆れた顔で見つめて、
「しかし私も不思議だよ」
そう呟く。
「何がかね?」
「お金、横領しようとするなんて。」
「君が言っただろう。最後くらい――ああ、最後くらいは私にいいことのひとつでもあればと思って。どうせ訪れやしないなら、私自身の手で、つかの間の、ほんのつかの間だけの幸せを、作りたかったんだよ」
マヤはクスッと軽く笑い、
カウンターから真新しい札束を
取りだして並べていく。
「でも、その選択は間違っていないと思います。」
支店長、マヤを呆れた顔で見つめて、
「しかし私も不思議だよ」
そう呟く。



