THE BEST REVENGE

「どうして、私が銀行を追い出されるしかないわけ?」
「は?」
「どうして、そうクビだ! クビだ! と勝手に決めつけるわけ?」
「へ?」
「個性の時代だって言うじゃないか。ミーメディアの時代だ。ITをアイテーと言って何が悪い。たかだか万年最下位の阪神が嫌いで何が悪い!」
「あんた、頭の中、昭和末期ですか? 存在自体がもう末期症状ですよ!」
「そんな私的な件より、仕事を評価すべきじゃないか。え!」
「その仕事もろくに出来ちゃいないじゃないですか…」
「そう言う時は冷やかしでも何でも『ええ、支店長はいいですよね、本店出身だし、いつかはきっと本店に帰る身ですから』とか、なんとか言うのが、気遣いというか、礼儀というか……あ—————————————っ!」

絶叫し頭を掻きむしり出す支店長に、
マヤは精一杯の気遣いを見せた。

「こほん…(棒読みで)してんちょうはいいですよね。いつかはほんてんに…」
「今頃言うな~!しかもムカツク~!」