「只今もどりました。」 私は障子を開け沖田さんの背中に向かって言った。 「おかえり。どこに言ってたの?」 「えっと…いろいろ…」 空気が…いつもと少し違う。 「曖昧だね。行った場所をちゃんと教えてよ…それとも僕には言えない秘密の所に行ってたの?」 言葉がまるで研いだ刀のように鋭い。 「いや…別にそんな訳じゃ…」 「君は長州の間者じゃないんだよね?」 沖田さんは私の方を向いて座り直した。 「はい。それは絶対にありえません。」 それだけは言える。 はっきりとコクンと頷いた。