体に回された腕に少し力が入る。 土方さんの体温が全身に伝わる。 それはさっきの冷たさがうそのように温かく心地よかった。 「わるかったな…―。」 土方さんはそう言うと素早く立ち上がり、戸へと向かった。 「おい…俺はここにいる。」 外に向けてそう言い、鍵を開けた。 「何…してたんですか…?」 戸を開けるとすぐに沖田さんがいて、 低い声で問いただす。 「あとに…してくれ…。今は一人になりたいんだ。」 土方さんはそう言い残すと小屋をでていった。 その背中はどこか小さく見えた。