私の聞き間違えだ。







そんな、目をパチクリさせている私をよそに、彼女は屋上をぐるっと見回して言った。








「綺麗な給水塔ね。麗ちゃんは、休み時間はいつもここにいるの?」










休み時間……









そうだ!今は休み時間。
そろそろ、教室に帰らないと!








私があたふたしているのを、面白そうに見つめながら、彼女は私に強烈な一言を言い放った。








「何、人のこと無視しといて、一人であたふたしてんの?今はちなみに、休み時間じゃないからね。」








……嘘。







私ははじめ、彼女が言っていることが、信じられなかった。








だって、校庭では一年生が、遊んでいるんだよ?







私は一目散に、校庭を見た。