私は屋上のいつもの特等席に横になった。







特等席は、真ん中にある出っ張った細長い、少しおしゃれなタイルがはってある、給水塔のことだ。






私は、目を閉じた。
春の爽やかな風が、気持ちいい。つい、ウトウトしてしまう。








ここで、自己紹介。






私の名前は、雨宮 麗。中学二年生である。この屋上は中学校の屋上だ。







だから、普段は立ち入り禁止なのだ。







私がここにいつもいることは、誰も知らない。






てゆうか、屋上への行き道さえ知らない人もいる。







私にとって、この屋上は私の数少ない居場所なのだ。