しばらく、にらみ合いが続いた。 「ねぇ、神谷。また、木のうえにいたの?」 私が小さい声で、神谷に聞く。 「違う。永田が、お前を呼び出したらしいって聞いたから、いやな予感がしてな……探したら、案の定こんなカンジだ。」 神谷は、困ったポーズを私にした。 私は顔を赤らめながら、笑った。 神谷が私を、探してくれた。 すごい、嬉しかった。 「あー、あんたってほんと、ムカつくわよね、美幸。」 突然、愛結美が私に言う。 私は、神谷の後ろから出て、愛結美の正面に立った。 「なんで?」