また、神谷くんと美幸の距離が遠ざかるのはいけないと思う。
「麗ちゃん。」
呼ばれて、美幸を見る。
「ん?」
「合格おめでとう。」
美幸が笑う。天使のように笑う。
私も笑う。
「ありがとう。」
そして、私たちはまたいつものように、下らない話をしてわらう。
よく考えたら、こんな日が来るとは思っていなかった。
私の中学校生活は、どうせつまんなく終わる。そう思っていた。
ていうか、美幸に出会わなかったら、私は今でもずっと一人だった。
でも今は、一人が逆に嫌になっていた。誰かと一緒にいたいと思うことが、ほとんどだった。
あのとき、私に一人がいい症候群と言った保健の先生に会ったら、保健の先生はなんて言うだろう。そして、私は何を言うんだろう。
私に親友を、心から信頼できる信頼を作りなさいと言った保健の先生。
私は、絶対に無理だと思ったけど、今は美幸と言う心から信頼できる親友が出来た。
すべてが、美幸と会ってから変わった。ありがとう美幸。
おかげで、前に進めそうだよ。



