次の日。







「おはよー」
「ねえ、昨日のテレビ番組でさ……」
「ていうか、隣のクラスのね……」









朝から、みんな元気なもんだ。







私は、人混みを避けながら、なるべく下を向いて歩いていた。








教室に入っても、誰も声をかけてくれない。








……はずだった。







「麗ちゃん、おっはよー!あれ?元気ないね。もしかして、低血圧?」








はじめ、一体誰に話し掛けられたかわからず、周りをキョロキョロしていた。








美幸ちゃんだった。









彼女はやっぱり、うちのクラスに転校してきたんだ。







「おはよう。低血圧で、悪かったね……そっちは、バカみたいに、元気じゃない。」









美幸ちゃんは、頬をぷくっと膨らませて、さらに私に近付いてきた。








「麗ちゃん。」









私は少し緊張した。私を呼ぶ美幸ちゃんの声が、真剣だったからかもしれない。