「ふぅん…そう。来月だね。頑張ってね」
「う…うん…?」
里村さんが、俺の言葉に疑問符を付けて返してきた
たぶん…俺の顔が一瞬歪んだのを見逃さなかったんだな…
「じゃ、はい。練習!回りくどい言い方は、ダメだからな」
心の動揺を悟られないために、俺は里村さんを急かす
「うっ…す…すすすきぃ…」
急かしたからか、噛み噛みの里村さん
しかも、声小さい
「噛みすぎだから。あと、声小さすぎ。聞こえない」
「でも、恥ずかしいよ?」
そう言う里村さんの顔は、真っ赤だ
もう何回も言ってるのにな…
「そんなんで、本番どーするの?」
好きでもない俺に言うのでも、この状態って…大丈夫なのか?