「あの…」


彼女は、ちょっと遠慮がちに、口を開く


「何?」


なんだろう?


「生徒会長の名前って何ですか?」


うわぁ…
俺の名前知らないんだ
俺、一応生徒会長なのに

ショックかもしれない…


「…」


まぁ、でも知らないなら仕方ないよな…
今まで、接点なんて無かったんだしね

それに俺だって、彼女の名前しらないし


「大島皐月…」


女みたいな名前だから、あまり言いたくないけど、手短に名前だけ名乗る

すると、目を輝かせる彼女


「私と同じだ!私も月の名前なんだ!里村卯月!」


そして、嬉しそうに自分の名前も名乗る彼女―里村卯月―

久々に見たな…女の子の媚を含まない笑顔