8時半。
まだ教室には数人の生徒しかいない。

わたしは覚悟を決めて、教室に踏み込んだ。

あっ……。

懐がまっすぐ視線の先にいた。

ドクンドクンと心臓の音がする。
懐に聞こえたらどうしよう、と思ってしまうくらいだ。

自分の席はすぐにわかった。
懐の横に行くと、

「ちはる、おはよう」

と言ってくれた。