兎小屋 〜side:♀〜


「で?チョコは?」

「え、あ…う…うん」


笑顔に見とれていた私を、大島くんが引き戻す

そうだった、渡すんだった




って、あれ?

今、私の手元にあるのは学生鞄だけ…?

たしか、私は学生鞄だと潰れちゃうと思って、小さな紙袋に入れたはず…

それが、何故か手元に無い


「あ…」


思い出した…


「ん?」

「教室に置いて来ちゃった…」


私は気合いを入れすぎたのか、重要なアイテムを忘れて来ていた