誠ノ桜 -桜の下で-




『桜!?』

『お母様っ!!』


凜が駆け寄る前に、鉄也が倒れた桜に駆け寄
った。


『鉄、也さん…怪我は…』

『ないよ…!!桜、大丈夫か!?』


桜は『良かった』と一言呟き、そのまま目を
閉じた。


『さ、くら…』

『お母様ぁっ!!』



積もった雪に、紅い血が滲む。

わんわんと凜が泣く中、鉄也は刀を構えた。


『何のつもりだ、鉄也!!』


そう言いながら一歩下がった洋介に合わせ、
鉄也が一歩前へ行く。


『凜、家へ帰りなさい』

『っやだ!お母様の傍に『凜!!』


いつも温厚な鉄也が怒鳴った事にびくつき、
凜は素直に家へ向かう。


『…洋介さん。色々とお世話になりましたが、
俺はあんたを斬る』







その後鉄也や洋介、村人達の乱闘が始まった。


凜は嫌な予感を胸に緋桜を抱えて泣いていた
が、村人達が家に押し入ってきた。