――…
宴の時刻が訪れた。
島原にて近藤派と芹沢派の合同の、つまりは
壬生浪士組全隊士での宴が開かれる。
そこで芹沢一派を泥酔させ、抵抗させぬよう
暗殺をするという計画だ。
芹沢と近藤の音頭により、皆が酒を進める。
芹沢も土方に上手く酒を呑まされていた。
凜はただ、その様子を見て待っている。
酒は反省を踏まえて止めておき、呑まないの
も不審なので水を呑んでいた。
「凜、俺もちょっとぐらい呑んでいいよね?」
「いいんじゃないの?」
やた、と喜ぶ宮部は盃に口を付ける。
「………斬られたいならね」
瞬間、宮部が華麗に吹き出した。
酒が飛沫(シブキ)となって宙を飛び、凜はそれ
を見て不愉快そうに表情を歪めた。
「汚い、何してるのよ」
「りっ…!凜がそんな事言うから!!」
己の責任を人に擦り付ける宮部に、凜は呆れ
て溜め息を吐く。


