誠ノ桜 -桜の下で-




宮部が壬生浪士組に入って数週間。

芹沢派副長 新見 錦が斬られて死亡。

芹沢一派暗殺の時が近づいていた――…。










「――――で、いいか」

「はい」

「おう」

「えぇ」

「了解でーす」

「承知しました」


夜中、局長室で密会が行われた。

芹沢暗殺の計画を練ったのは、やはり土方。

そしてそれを締め括って確認を取ったのは近
藤で、沖田・原田・山南・宮部・凜の順でそれぞ
れに返事をした。


「これは隠密に下った命の為、他言無用だ。宜
しく頼むぞ」


では解散、と言う近藤の声を合図に、皆散り散
りになった。

宮部は眠そうに、山南と原田も部屋に戻って、
凜と沖田は二人で部屋へ戻った。


あれからは何もなく、元の付き合いに戻りつ
つあったのだ。


「………どうかしたの」


凜が気遣わしげに、沖田を覗き込んだ。

沖田はどこかぼんやりした様子で、凜を見返
した。