その日の夜も俺は親父とおふくろと晩御飯を食べた
それは俺の好きなカレーと豚カツ
あまり揚げ物を好まない親父もなぜか箸は進んでいた
普段は和食中心らしいけど、“今日はあつしの好きな物を作ってくれ”と親父がおふくろに頼んだみたいだ
勿論、その話は後からおふくろがこっそり教えてくれた
“お父さん、あつしには本当に甘いんだから”
なんて言葉の最後に呆れ顔で言っていた
親父は俺に甘いのかな?
親父は怒る時は怒るけど、ガミガミと説教してくるのはいつだっておふくろの方
甘やかされて育ったつもりはないけど、第三者の人間から見ればそう見えるのかもしれない
“お前は一人っ子でいいよな”と良く友達に言われていた
“何が?兄弟居た方が楽しそうじゃん”
なんて返すと決まって“そういう意味じゃねーよ”と言われる
多分、兄弟同士の話じゃなくて友達が言いたかったのは子供が複数居る親と子供が1人しか居ない親の違いだ
兄弟が居れば欲しい物を制限されるだろうし、一つの物を分けなくちゃいけない時もある
そうゆう事に至っては無縁な事で、今だってパッと思い付く欲しい物はなくて…
そういう意味では甘やかされて育ったと言える



