夏の鈴




俺と親父は仲が良かった

男はお母さんっ子と聞くけど、俺は小さい頃から親父の方になついていた

アルバムを見ると親父との写真の方が多いし、小学校の高学年になっても一緒にお風呂に入る程だった


尊敬する人は?

そう聞かれる度、即答でお父さんと言っていた

今考えると、なぜそんなに親父が好きだったのかは分からないけど


多分おふくろより優しかったという単純な理由

兄弟がいなかったせいか、親父は俺に甘かったし

でもそれも小学校までの話
中学校に入ると、親父は“もう子供じゃないんだから自分で出来る事は自分でしなさい”と言った


別に普通の事だけど、甘やかされて育った俺にはそれが苦痛に感じていた


だけど親の過保護は変わらなく、門限を過ぎて帰ると絶対に怒られた

同級生の男子はみんな反抗期真っ只中で、家に帰らず、友達の家に泊まる事がかっこいいとさえ思われていた

夜遊びをする事が大人のような気がして、だけど俺の両親は絶対に許してくれなかった


きっとその頃からだと思う
おふくろや親父と用件以外喋らなくなったのは


一人でなんでもしなさいと言うわりには過保護という矛盾点


家に居てもなるべく自分の部屋から出ず、親と顔を合わせない日々