プ リ ン ス

翌日


「ねぇ〜、遊びで良いからぁ〜」

「あたしだったら藍くんを楽しませてあげらるよぉ?」

「一度で良いから抱いてよぉ〜」


今日も女共がベタベタとしつこく付き纏ってくる。




こういう時は


『ねぇ君たち。』


「「「「??」」」」


羽藍はニコッと笑顔を彼女たちに向けた。




『俺…彼女しか興味無いんだ。だからごめんね?』


ウルッと涙を溜め、少し目線を斜め下に下げた。




「えぇ〜でも誰とでも寝るんでしょぉ〜?」


それでもしつこく纏わり付くケバ子。




俺は小さく舌打ちすると、また貼付けたような笑顔を向けた。




そしてケバ子の前に跪き、手をとった。




『俺が…そんなことする男に見える?』


「え…///」


『変な噂も、俺を妬む奴らが流した嘘なのに……俺を信じてくれないの?』




俺は立ち上がり、ケバ子の手の甲にキスを落とした。




『君はこんなに綺麗なんだから、俺の言ってること分かるよね?』


わざと不安そうに眉を下げ、目に涙を溜めながら控えめに言った。




「分かるッ分かるよ!!
やっぱり嘘だったんだね。あたしは藍くんを信じるよ!!ねぇ、みんな!!!」


「「「うんッ」」」


皆は引くぐらい勢いよく頷いた。




「やっぱりプリンスはそんなことしないよ!!」

「あたしプリンスのこと信じるッ」

「今までゴメンネ!!」


吃驚するくらい態度を改めた彼女たち。