プ リ ン ス

やっと接触できる。




まだリーダーには会うことは出来ないと思うけど。




まぁいつか会うだろう。




人差し指をもう一度舐め、鞄を持って教室を出た。




桜井は部活にいっている為この場にいなかったが、周りで羽藍の動作を見ていた女子達は、人差し指を舐めるエロい仕種に見とれていた。








窓から差し込む夕陽を背にし、体育館裏へ向かう。




体育館裏へ着くと、誰もいなかった。




まだ来ていないのか。




それともただのいたずらだったのか。




そう思っていると、ジャリッと石の音がした。




顔を上げると、イカつい顔をした男がズラッと10人ほど。




全員白ネクタイだ。




「一応来たみたいだな。」


『……。』


「なんだ?怖じけづいたか?」


クスクスと周りは笑い、余裕な顔を俺に向ける。




俺は盛大に溜め息をついた。




『あんたらが俺を呼んだの?』


「そうだ。お前が調子乗ってるからしつけてやろうと思ってな。」


1人がそういうとまた、周りがクスクスと笑い出した。




挑発してるつもりなのだろうか。




そんな安い挑発に乗るわけないのに。