プ リ ン ス

一週間後


桜井は憂色を浮かべながら俺を気にしている。




たまにチラチラと俺を見てくる。




多分心配してくれているんだろう。




気にしなくても俺は大丈夫なのに。




今日も机の上に広がる白バラを桜井が処理してくれた。




なんの意味があるのか、花を大事にしない事が頭にくるのか、処理する身にもなってほしい。




どうでもいいけど。




俺は厭らしい視線と蔑む視線を無視しながら洋書を開いた。










放課後


鞄を整理していたら、チクッとした痛みが指を刺激した。




鞄から手を出すと、人差し指から切れ目が出来、血が流れていた。




それを舌で舐めとり、鞄の中にある刃物を取り出した。




「カッター……。」




破片がいくつも入っている。




そして、紙切れらしきものが入っている。




それを取り出すと白い紙に龍の絵が描かれたものが出てきた。




それを裏返すと文字が書いてある。




【放課後
体育館裏に来い。】




簡易に書かれたそれは、どうみても呼び出し。