「お前、女子の間で何て言われてっか知ってっか?」


『??』


「“プリンス”だってよ。」






……………………………。







『………………………は?』




プリンス?




なんで聖女と同じ?




まさかバレたとか……




「存在が王子みたいなんだってさ。」






……………………………。






なんだ。




吃驚した。




バレたかと思ったよ。




大体こんな変装してんだからバレるわけないよな。




それにしても……




『プリンスか……。』




また……




俺を称え、敬い、羨望の眼差しを向ける低俗な奴らが増えるのか。




まぁいい。
その方が従えやすい。




女子は、頬を染め、うっとりとした顔で藍を見つめていた。




しかし、男子は俺が無所属なのが気に食わないのか、女子の視線を一人占めしてるからなのか、鋭い視線を向けてくる。